作者:M・W・クレイヴン
※この記事は『デスチェアの殺人』のネタバレを含む感想記事です。未読の方はご注意ください。
あらすじ
木に縛られ石打ちで殺害された男の体には、難解なコードが刻まれていた。ポーの捜査で15年前の未解決事件との関連が浮かび上がる
早川書房オフィシャルサイトより
作品情報
| 種別 | 文庫 | 訳者 | 東野 さやか |
| ページ数 | 384 | 刊行日 | 2025/09/18 |
| シリーズ | 刑事ワシントン・ポー | 出版社 | 早川書房 |
| レーベル | ハヤカワ・ミステリ文庫 |
おすすめ度
感想(ネタバレあり)
シリーズを追っている身としては、今回も非常に満足度の高い一冊だった。
本作で特に印象に残ったのは、事件の進行がまったく予想できなかったこと。ミステリーを読んでいると、どうしてもメタ的な視点で犯人を予想してしまう癖がある。しかし今回はその予想を良い意味で裏切られた。
どんどん新情報が出てきて、新展開に繋がっていくので終始作者の掌の上で転がされていたような感覚だった。
また、ポー、ティリーのやり取りも相変わらず魅力的だった。監査で突然捜査に同行することになったライナスがいることで二人の阿吽の呼吸感が際立ってた。重い事件を扱いながらも、彼らの会話には思わず笑ってしまう場面があり、シリーズの大きな魅力になっていると感じた。
以下、ネタバレあり。
今回もっとも衝撃を受けたのは、ポーがカウンセリングを受けながら事件について語っているように見せかけた叙述トリックだった。
実は先生がベサニーじゃ?と最初メタ的に思っていたが読んでいく内に、的外れだったなと読み進めていたため、真相が明かされた瞬間は素直に驚かされた。事件の背景や状況は想像していたものとはまったく異なっていたため、結果として大きく意表を突かれた。犯人当てとしては正解だったのに、真相としては完全に騙されていたという不思議な読後感だった。
事件自体は解決したものの、チームは解散という形になり、ポー自身は今後について考えがあるような発言をしていたが、現状を見る限り再結成は簡単ではなさそうに思える。
だからこそ早く続編が読みたい。
謝辞では作者が次作を示唆するような言葉を書いていたため、シリーズが続くことはほぼ確実でしょう。解散したチームがどのような形で再び集まるのか。そしてポーたちが次にどんな事件へ挑むのか。今から楽しみでなりません。
シリーズファンであれば、ぜひ読んでほしい一冊!