※この記事は『ブラッシュアップライフ』のネタバレを含む感想記事です。未読の方はご注意ください。
作品情報
| 放送時期 | 2023年 | 話数 | 全10話 |
| ジャンル | ヒューマンドラマ | 監督 | 水野格,狩山俊輔,松田健斗 |
| 脚本 | バカリズム | 原作 | オリジナル作品 |
あらすじ
地元の市役所で働く33歳の麻美(安藤サクラ)は、ある日車にはねられてあっけなく死亡し、死後の世界(受付)へたどり着く。受付係から「来世はオオアリクイです」と告げられ、人間として生まれ変わるために、記憶を持ったまま同じ人生をもう一度やり直す決断をする。
日テレプラスより
おすすめ度
- タイムリープ系が好きな方におすすめ
- 自分の人生を見つめ直したい人におすすめ
感想(ネタバレあり)
ネタバレなし感想
普段の私はミステリー作品を観ることが多く、国内ドラマもほとんど観ない。振り返ると、ミステリー以外の国内ドラマを最後まで観たのは『女王の教室』以来かもしれない。そんな私が『ブラッシュアップライフ』を観て、素直に「めちゃくちゃ面白かった」と思った。まず惹かれたのが設定だ。異世界転生や異世界でのやり直し作品は数多くあるが、本作は現代日本で人生そのものをやり直す物語。子供時代からもう一度人生をやり直せるという発想は、多くの人が一度は想像したことがあるのではないだろうか。
「あの時こうしていれば」
「別の進路を選んでいたら」
そんな誰もが考えたことのある願望を、丁寧に映像化しているのが面白かった。将来の知識を持ったまま人生をやり直し、より良い選択を積み重ねていく主人公も印象的だった。
私はもし同じ状況になったとしても、結局あまり変わらない人生を送りそうなので、実際に行動へ移せる主人公はすごいと思う。
主人公を取り巻く人間関係も魅力だった。何度も人生を繰り返すため、同じ人物でも関係性が変化する。そのたびに主人公が状況へ対応していく様子が面白く、観ていて飽きることがなかった。
特に仲良し4人組の空気感はとても好きだった。大きな事件や派手な展開だけでなく、友人同士の何気ない会話ややり取りに愛着が湧く作品だったと思う。
ネタバレあり感想
序盤は「徳を積んで来世でも人間に生まれ変わること」が目的の物語として進む。
あの世の受付で「次は何に生まれ変わる予定です」と告げられるやり取りも毎回面白く、人生を繰り返す理由としてもユニークだった。やり直すたびに死因が変わるため、毎回「今度はどうなるんだろう」と楽しみに観ていた。
ほのぼの系だと思っていたけど、物語が進むにつれて方向性が大きく変わる。4周目以降は同じように人生をやり直している人物が登場し、親友の命を救うことが物語の中心になっていく。正直なところ、この時すでに全体の話数の半分。「あと数話で本当に綺麗に終われるのだろうか」と少し不安だった。けど思わぬキャラのファインプレーでスクあれるまとめ方は見事だった。驚きと同時に「あ、そう来るのか」とあっけに取られたのを覚えている。
先の展開を知っている主人公なのに、死だけは思い通りにならない。その不確実さも緊張感につながっていたと思う。そして何より良かったのがラストだ。親友を救って終わりではなく、さらに未来の介護施設で仲良し4人組が過ごしている場面まで描かれる。
最後の人生をしっかり生き切った先まで見せてくれたことで、非常に後味の良い締め方になっていた。
印象に残ったポイント
- 現代日本を舞台にした人生やり直し設定
- 徳を積むための周回から親友を救う物語へ変化する構成
- 人生ごとに変化する人間関係
- 最終回の見事な着地
好きなキャラクター
特に好きだったのはみーぽんとなっち。
物語の中心から少し距離を置いた立場だからこそ、変わらない空気感に安心感があった。
やり直しを繰り返しても基本的にはいつもの2人でいてくれるので、観ていて和む存在だった。
また、河口さんの尖ったキャラクターも印象的だった。
現実で関わりたいかと言われると微妙だが、物語の中では強烈な個性として楽しめた。
最後に
この作品を観終わって感じたのは、「今を大事に生きたい」ということだった。当たり前のことだけど、普段忙しくしていると日々を雑に過ごしてしまっている気がする。現代日本が舞台だからこそ、主人公の人生を遠い世界の話ではなく、自分のこととして考えやすい。忙しい毎日の中で忘れがちなことを、押し付けがましくなく思い出させてくれた。
『ブラッシュアップライフ』は、人生をやり直す面白さと、友人との何気ない時間の尊さを同時に描いた作品だった。何度も人生を繰り返すというユニークな設定ながら、最終的に心に残ったのは壮大な仕掛けではなく、人とのつながりや何気ない日常の大切さだったように思う。
最後まで笑えて、驚かされて、ラストには爽快な気持ちになれる。そして「今の人生も大事に生きよう」と思わせてくれる作品だった。