准教授・高槻彰良の推察12 破られた約束 感想|衝撃の事実とラストの展開で続きが気になりすぎる【ネタバレあり】

作者:澤村 御影

※この記事は『准教授・高槻彰良の推察12 破られた約束』のネタバレを含む感想記事です。未読の方はご注意ください。

初めて当ブログにお越しになった方はまず「はじ」をご一読いただきますようお願い致します。

目次

あらすじ

旅先の京都で、高槻は祖父の急逝を聞く。
東京に戻り、叔父の渉と尚哉と葬儀に向かうが、
寺の外で再会したのは、没交渉となっていた祖母だった。
後日祖母を訪ねた高槻達は、かつて真夜中に祖父を訪ねてきた『友』の存在を知る。
やがて秋学期になり、日常が戻るかと思いきや、
高槻のもとに「異捜」の山路が現れる。
そして歴史ある料亭で見つかった呪物「鬼女の腕」の調査を依頼され……。
高槻家を翻弄する約束の謎に迫る第12弾!

KADOKAWAより

作品情報

種別シリーズ状態未完結
ページ数256ページページ数准教授・高槻彰良の推察
出版社KADOKAWAレーベル角川文庫

おすすめ度 

  • 高槻家の謎が動く話を読みたい人におすすめ
  • 次巻への引きが強い作品が好きな人におすすめ

感想(ネタバレ注意)

今回もいつも通り面白かった。
ただ、読後に残ったのは満足感というよりも「続きが気になる」気持ちだった。
依頼パートについては何となく予想できる部分もあったが、今回はそれ以上に高槻家の秘密や高槻先生自身に関する話が大きく動いた印象が強い。

特に面白かったのは、「もう一人」がなぜ高槻先生を特別視しているのかが少しずつ見えてきたこと。

これまで登場してきた人物たちの態度や言動にも理由が見え始め、「そういうことだったのか」と思う場面が増えてきた。シリーズの核心に近づいている感じがあって読んでいてわくわくした。
一方で、一番驚いたのは高槻先生が両親の子ではなかったという事実。高槻先生の出生や過去には何か秘密があるのだろうとは思っていた。ただ、そこを突かれるとは思っていなかった。
今回の巻で少し気になったのは高槻先生の母親。子供が失踪し、その後大怪我をした状態で発見されたのだから精神的なダメージが大きいことは理解できる。それでも、心神喪失状態のような状態が長く続いていることにはもどかしさを感じた。そして何より、その状況を周囲、特に父親が受け入れていることにフラストレーションが溜まった。
もちろん母親も傷ついている。ただ、傷ついているのは高槻先生も同じだ。
父親視点の描写があるからこそ、母親への配慮は見えるのに、高槻先生へのケアは十分だったのだろうかと思ってしまった。まあ、そこは父親本人も思うところはあったみたいだけど。
だから母親個人というよりも、家族全体の在り方にもやもやしたのかもしれない。

そしてラスト。
高槻先生が消えたことが今回一番印象に残った。衝撃の事実が明かされた直後に、あの急転直下の展開。
正直、「ここで終わるのか」と思った。それ以上に印象に残ったのは尚哉の反応だった。
もちろん先生を大切に思っていることは分かっていたが、想像以上に取り乱していた。
読んでいて「そんなに先生のことが大切だったんだな」と思う反面、依存に近いものも感じた。
先生は尚哉にとって単なる友人や協力者ではなく、自分を支えるために必要な存在になっているみたい。まあ、同じ怪異体験者としての繋がりは感じているみたいだけど今回は寄りをそれを強く感じた。
最後の場面で感じたのは悲しみよりも焦りや恐怖で、大切な人を失った悲しみというより、自分の拠り所が突然なくなった恐怖が伝わってきた。

今回は大きな謎が明かされる途中段階の巻という印象が強い。そのため評価は★★★★にした。
とはいえ、次巻への期待はかなり大きい。この後どうするんだ…
高槻先生は真実を知ってしまったからこそ消えたのだと思う。そして先生が両親の子ではなかったことを誰が知っていて、誰が知らなかったのかも今後の展開に関わってきそうだ。
今一番気になっているのは、尚哉たちがどうやって高槻先生を探すのかということ。
簡単に見つかるとは思えない。また、夜のお祭りとかに行かないか心配。

シリーズの大きな転換点となる一冊だったと思う。

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